田舎暮らしと本と映画。

邦画と本と美味しいもののこと。旅と神社と美しいものが好き。

こうの史代 「この世界の片隅に」(上・中・下)

戦争を描いた作品が苦手なのです。

 

子供の頃は怖くて大泣きして、悪夢にうなされていたし、

大人になった今は泣かないけど、変わらず怖くて動悸がして、

やはり見続けることができない。

 

なので話題作で、見た人みんなが「よかった」と言っていても

映画館に行くことができなかった映画。

 

「この世界の片隅に」

 

この度TBSでドラマ化されて、

それも最初は見られないなあと思っていたけど、

NHKドラマ好きとしては、

尾野真千子さんや新井美羽ちゃんなどの豪華キャストを見逃すことができず、

 

 

一話を勇気を出して見たらよくて、

原作本を読みたくなって、早速読みました。

(以下ネタバレあります)

 

(あらすじ)

昭和18年、広島に住む18歳のすずは、

呉に住む軍法会議の録事を勤める青年・北條周作の強い希望により

突然嫁ぐことになる。

 

すずと周作は子供の頃に出会っていたようだったが、

すずには覚えがなかった。

 

嫁ぎ先の北條家は、

義母は足が悪く、

義姉の径子は厳しい気性な上、

婚家と離縁し、娘の晴美を連れて実家に戻ってきた。

 

しかし、のんびりやのすずは失敗をしつつも、

少しずつ北條家に馴染んでゆく。

 

 

最初に↑↑の基本設定を知って、

戦争中だわ、労働力として呼ばれているわ、義姉さんは怖いわで、

ちゃんと読めるかな、しんどくなったらすぐやめよう、と思っていた。

 

ところどころ苦しくなって休憩もしたけど

最後まで読めました。

そして何度も何度も読み返している。

 

たぶん絵が可愛らしくて、残酷さが緩和されているのと、

すずが愛されながら生きていることと、

心底悪い人間が登場しないことで、最後まで読めて、

 

そして、じわじわとこみあげるような優しさと愛おしさが

描かれているから読み返したくなる。

 

ゆったりとしていて、優しくて、

もちろん戦争中なのも、

今の時代の結婚生活と全然違うのも大変なのだけど、

 

すずは決して不幸ではなく、

今ある世界の中に幸せを見出して毎日を生きている。

 

 

可愛らしい絵で、淡々と穏やかな日々が描かれるのに

ところどころ艶っぽいシーンが入っているのでドキッとする。

 

 

だからと言って、決してすずの日常は普通のものではなく、

本当に戦争は恐ろしくて、

多くの人の日常を異常なものに変えてしまうことがわかる。

 

 

最初は子供のようで、ぽわんとしているすずが、

 

周作を愛して、

周作がかつて愛した遊女のリンと出会って、

戦争中を生きて、

可愛がり家族として生きた晴美を亡くして、

すず自身の右手も失って、

 

少しずつ成長していく。

自分の意見を言えるようになり、周作や北條家との関係も深まる。

 

いつまでも子供っぽさは抜けないのに、

初めて周作にリンのことを問う場面で、

「あの人を呼ぶこの人の口の端に愛がなかったかどうか」

なんて心の中でつぶやいていて、

「すずさん、いつの間にか大人の女性になってる!」

と、ドキッとさせられる。

 

義姉の径子さんは、怖いけど本当は優しい人で、

読んでいるうちに径子さんのキャラクターにハマってしまい、

最後には、

「ああ、私も径子さんに

『冴えん!』って一旦ツンとされた末に優しくされたい。」

と、あやしい願望が芽生えてしまう。

 

ドラマ版、

尾野真千子さんが演じられているのですごくハマると思います。

 

下巻の、晴美が亡くなった後、いろいろあってのあの場面。

オノマチさんで再生されると思うと今から胸が苦しい。

絶対に泣いてしまう。

 

ほかにも良いシーンや、

考えさせられるシーンがいっぱいあるのだけど、

(幼なじみの海軍さんと再会するところとか、

リンさんとのエピソードとか、

リンさんを訪ねてテルちゃんと出会うとか)

ここで説明するより、実際の絵で読んでもらいたいです。

 

映画版も見てみよう、と思っているところに、

元の映画版に、描かれなかったエピソードを足した長尺版

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が、

2018年12月に公開されるそうで、

これはちゃんと映画館に見に行こうと思います。

 

 

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