田舎暮らしと本と映画。

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辻村深月「かがみの孤城」2018年本屋大賞第1位

ブックレビュー 2018年本屋大賞第1位

辻村深月「かがみの孤城」

 

(あらすじ)

雪科第五中学校1年生の安西こころは、学校に通えていなかった。

ささいなことがきっかけで、

クラスの中心的存在・真田美織に目をつけられてしまい、

そこからこころが孤立してしまうまでに時間はかからなかった。

 

真田美織たちは群れを作りこころをなじり、ある日、自宅の庭にまで上がってきた。

「殺されて、しまうかもしれない」

その翌日から、こころの身体と心は学校を拒否した。

 

心配したお母さんがフリースクールに通うことをすすめてくれている。

スクール「心の教室」の先生である喜多島先生も綺麗でいい人そうだった。

しかし、こころの身体と心はスクールをも拒否した。

 

ある日、自宅の鏡が光っている。

手を伸ばすと、そのまま鏡の向こうに引きずりこまれる。

 

ピンクのドレスを着た、

小学生くらいの女の子が狼の面をつけて立っていた。

「安西こころさん。あなたは、めでたくこの城のゲストに招かれました!」

 

この城に隠されている「願いの鍵」を見つければ、

どんな願いでもひとつ叶えてもらえるのだという。

 

こころの願い。

ー真田美織が、この世から消えますように。

 

 

 

もうすっかり大人になった自分でも読んでいて、

こころを取り巻く校内の空気がリアルに感じられて苦しかった。

 

この本を読んで、

 

「ふーん、自分の周りではそういうことは全くなかったな」

と、思える人たちはどれくらいいるのだろう。

 

自分の学校時代を思い出しても、

真田美織のような子たちは、学校が変わっても常にいたし、

 

彼女たちのようなグループが身近にいた場合、

彼女たちを刺激しないよう適度にあしらいつつも、

距離は上手に取るような器用さを持つ子供だった人はどれだけいるのだろう。

 

私はたまたま「こころ」にならなかっただけで、

「こころ」だったかもしれないと思いながら読んでいた。

 

そして大人になった今の私は、

こころのお母さんの立場だったり、喜多島先生の立場だったり、

伊田先生の立場だったり、

この問題と向き合う大人たちについても考えさせられる。

 

読んでいる最中、ふと、

「この作品、NHKの週末の夜のアニメ枠でアニメ化して放映されたらいいのにな」

と考えていたのだけど、

 

それはきっと、NHKのその枠でアニメ化された「3月のライオン」を

この作品を重ねているからなのだと思った。

 

どちらも重いテーマだけど、でも繊細で透明で優しくて、

生きることは大変だけど、生きてみようと思える作品。

 

この物語はファンタジーだから、

現実はもちろんこんな形で終結することはできないのだけど、

同じテーマで悩む人の心に届く柔らかな光になればいいと思った。

 

学生さんから、大人まで

幅広い年代、立場の人に読んでもらいたい本でした。

 

 

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