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伊坂幸太郎 「AX」(アックス)

ブックレビュー 伊坂幸太郎「AX」(アックス)

 

先日初めて「ホワイトラビット」を読んでおもしろくて、

 

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他の作品も読んでみたいな、と思い手に取りました。

 

主人公は、殺し屋の兜(かぶと)。

5つの短編が収録されています。

 

以下大きなネタバレはしませんが、

詳細を知りたくない方はご注意ください。

 

 

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①「AX」

俺の名前は兜(かぶと)、本名ではない。

職業は殺し屋、「兜」は殺し屋の名前だ。

妻と高校生の息子が一人いる。

 

家族は俺が殺し屋をしていることを知らない。

文具会社の営業担当だと思っている、実際兼業している。

 

俺は町の開業医に通っている。

そこの医師は裏の顔を持っていて、殺しの斡旋をしている。

俺はいつもその医師から仕事を請け負っていた。

 

俺は殺し屋の仕事から足を洗いたかった。

息子の克己が生まれたときからずっと考えていた。

 

そして業界でも一目おかれる殺し屋・兜には秘密がある。

妻が、とても恐いということだ。

俺は常に妻の機嫌を損ねないように生きている・・・。

 

②「BEE」

家の庭の木にスズメバチが巣を作っていた。

妻が、

「近いうちにキャンプに行くが、

その時に巣の近くの駐車場で荷物の準備をするのは危ない。」

と言っている。

 

俺は速やかに区役所の担当課に連絡して

業者を手配してくれるよう頼もうとしたが、

お盆期間中ということであり、区役所も業者も電話がつながらない。

 

妻は、

「キャンプまでには巣が撤去されていてほしい」

「スズメバチの巣の駆除は素人が手を出すと危ない」

と、矛盾した要求をしている。

 

果たして俺はこの難しいミッションを成し遂げることができるのだろうか。

 

③「Crayon」

俺はボルダリングを始めた。

殺しの仕事で訪れたビルのお向かいにジムがあることがきっかけだった。

 

俺はそこで松田という男を知り合った。

松田とはたわいもない話をいつもしていたが、

話しているうちに松田も恐妻家ということが発覚した。

しかも松田の娘も高校生で、

なんと俺の息子と同じ高校でクラスも一緒だった。

 

俺に初めての友達ができた。

 

④「EXIT」

俺は文具会社の営業担当としてある百貨店を担当している。

そこの警備員である奈野村とは世間話をする中だった。

 

ある日、奈野村から相談を持ち掛けられる。

中学生である奈野村の息子が父親の仕事を見てみたいのだという。

 

身内で子供とはいえ、

深夜の閉店したデパートに部外者入れることは問題になるのではないかと

奈野村は困惑しているが・・・。

 

⑤「FINE」

ネタバレになるので伏せます。

 

 

 

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③までは、

「ああ、殺し屋っていうと血も涙もなくて、

冷酷に任務遂行していくか、

喜々として人を殺す常軌を逸しているタイプか、

ってイメージだけど、

こういう業務以外では普通の人もいるのだなあ。」

と、ゆるい気分で読み進めていた。

 

「殺し屋にも日常があるんですよ~」みたいな、

そういう小説なのかなあ、と完全に油断しながら読んでいた。

 

でも、④「EXIT」から雰囲気が変わってきて、

「ああ、やっぱり殺し屋稼業はおっかないわ。」

とハラハラと読んでいたら・・・!!

 

まさかの展開。

 

えええ???

 

 

そこからはページをめくる手が止まらなくて、

休みなく一気に読み終えました。

 

読み終えてしまうと、ゆるゆると読んでいた頃から出てくる、

町の普通の商店が「表の顔は〇〇屋さんだけど、本当は闇の仕事屋」

という描写がじわじわと怖くなってきて、

 

「ウチの近くのあそことかそのむこうのあそことか、

一見普通のお店だけど、もしかしたら・・・!」

と、ちょっと怖くなる。(絶対違うと思うけど)

 

「奥様は取扱注意」でも、クリーニング屋さんが裏ではテロリストだったなあ。

 

おもしろかったので、順番逆になってしまったけど、

今度は「マリアビートル」を読もうと思います。

 

 


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