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柚木麻子 「ナイルパーチの女子会」(ネタバレあり)

ブックレビュー 柚木麻子「ナイルパーチの女子会」

ネタバレありです。

 

 

(ネタバレなしのあらすじ)

商社のバリキャリOLの栄利子、30歳。

社内の女子社員の中で正社員なのは栄利子を含め2名だけ。

年収は1000万円を超えた。

 

そんな栄利子の楽しみは同じ年の主婦「おひょう」のブログだった。

だらしない日常を綴りながらも猫のように気ままな

「おひょう」に栄利子は日々癒されていた。

 

そんなある日、

行きつけのカフェで「おひょう」本人と出会った栄利子だったが・・・。

 

以下ネタバレあります。

 

柚木麻子さんは、

その昔「ランチのアッコちゃん」を読んだことがあって、

 

 

その時の印象で、

「癒し系の本を書かれる人なんだな」

と勝手に思っていた。

 

今回他の本を読んでみようと思ってたまたま手に取った本がこちらで。

・・・予想外のブラックな物語にぎょっとする!

 

「ナイルパーチ」とは、

淡白な味で知られる食用魚。

一つの生態系を壊してしまうほどの凶暴性を持つ。

 

バリキャリの総合職OL、人気主婦ブロガー、

エリート商社マン、玉の輿を狙う派遣OLなどなど・・・、

一見、「現代社会によく見かける人たち」と思える登場人物たち。

 

 

一見すべてに満たされたOLのようなのに、

自分こそがおひょうの真の理解者だと疑わず、

常軌を逸する行動を繰り返す栄利子。

 

おひょうに「わかってもらう」ためであれば手段も選ばず、

男性社員と関係を持ち(どうしてそうなる)

 

そして男性社員の婚約者にその事実を知られ、

凶暴性を露わにした婚約者女性に、

「ならばもっとたくさんの男と関係を持て」

と命令され、(なぜそんな発想に)

 

それに対して

「(おひょうと親友になれるなら)進むべき道はそこにしかない」

と考え出す。(だからどうしてそうなる)

 

すべての登場人物が見た目以上の闇を抱えていて、

誰もが誰かの「ナイルパーチ」で、

闇と闇との殴り合いのような展開が続く。

 

深夜に淡々と読んでいて気分が悪くなってくるけれど、

本を閉じることもできず、ひたすらページをめくり続けてしまう。 

 

 

読み終わった後のページに参考文献として、

「毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ」が紹介されていて、

 

 

作中どれだけ痛みを独白されても、

主人公の悲しみは理解できても共感はできなくて、

モヤモヤしてしまう感じに既視感があったのは、

これらの事件を初めて知ったときに抱いた気持ちと同じだからと理解する。

 

このままバッドエンドになるのかなあ、と恐る恐るページをめくり続け、

暗闇に光が差し込むような終わり方に安堵する。

 

読み終えた後にすごく疲れてしまって、

次の1冊は心が洗われるようなものにしようと決めたのでした。

 

   
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