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村田沙耶香 「コンビニ人間」(ネタバレあり)

ブックレビュー 村田沙耶香「コンビニ人間」

ネタバレありです。

 

 

(ネタバレなしのあらすじ)

私・古倉恵子は子供の頃から変わっていると言われ続けていた。

 

死んだ小鳥を見て焼き鳥にしたらいいと思った。

両親が美味しそうに食べていたから。

喧嘩している男子をスコップで殴った。

みんなが「誰か止めて!」と言っていたから。

 

何がおかしいのか自分ではわからなかったから、

私は自発的に行動したり発言したりしないことで「普通」を保った。

 

大学生になったときにオフィス街のコンビニのオープニッグスタッフになった。

コンビニで働くことは心地良く、

コンビニ店員である間は私は社会の一員である気がした。

アルバイト生活は18年目、私は36歳になっていた。

 

以下ネタバレしながら感想を書きます。

 

寝る支度はできて、でもまだ布団に入るのは早い。

10分だけ読んでみよう、と手にとったらおもしろくて

そのまま最後まで読んでしまった。

 

自分では正しいことをしてるつもりなのに叱られて、

何がおかしいのかわからない、とか。

子を産み育てるのに適した年代とされる男女が

産み育てもしてなければ正規雇用の職にも就いてなくて、

最近困ったひとたちが増えましたね、とか。

 

最近世間で話題のテーマががっつりと入っていて、

登場人物たちの発するセリフも、

「ムラのお荷物、人間の屑」とか、

「どうすれば普通になるの、いつまで我慢すればいいの」などなど、

なかなか辛辣なのだけど、

 

全体的にふんわりとした雰囲気で、流れるように読み進めることができて、

後半元バイト仲間の白羽さんから、縄文時代と平成時代の話を聞いて、

そこから奇妙な同居生活が始まるあたりとか、吹き出しそうになってしまう。

 

このうっとおしい白羽さんと淡々とした古倉さんのやりとりを、

「是非映像で見たい!」と思って、

実写化するなら誰がいいかなあといつもの癖で想像しながら読んでいました。

 

古倉さんは、

村田さんご自身のコンビニバイト経験から生まれた

キャラクターだろうから、黒髪ロングの女優さんがよくて、

綺麗なのに女優スイッチオフすると地味な雰囲気を上手に出される井上真央さんで。

 

 

白羽さんは、

やせぎすの理屈っぽいきもちがわるい男性だけど、

映像化したときに本当にきもちがわるいと辛いので、

しれっとイケメンで、でも狂気をはらむ演技ができる方で、

と思ったので、途中から戸次重幸さんで読んでました。

 

古アパートの空のバスタブに入ってタブレット見ながら

「僕はいずれ起業するんだ、それまで僕を世界から隠してくれ。」

とかなんとか言ってる戸次さん見たい。

 

そりゃあ、喧嘩を止めるのにスコップで殴ったりしたらだめだけど、

世間一般のルートから外れていても、

コンビニが大好きで、コンビニがいきいきと機能して、お客様も喜んで、

コンビニもお客様も気持ちいい状態にしたいと思いながら働いている

古倉さんの何がいけないの、

と思ってしまう私も、「普通の人」から見たら、

「あちら側」の人間で、

「土足で踏み込んで裁判するべき存在」なのかもしれない。

 

普通とか正義は時に暴力で、

そもそも普通って何なのかしら。

なんて思いながら読み終え、

そして単純なので、

早速コンビニに行きたくなりました。

店員さんがおすすめをしているフードも買って帰りたい。

 
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