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シネマ歌舞伎 「四谷怪談」(ネタバレあり)

シネマ歌舞伎「四谷怪談」を見てきました。

ネタバレありです。f:id:koromo8oo8:20170930191104j:plain

監督 串田和美

出演 

中村獅童 中村勘九郎 中村七之助 中村国生 中村鶴松 

真那胡敬二 大森博史 首藤康之 笹野高史 片岡亀蔵 中村扇雀

 

(ネタバレなしのあらすじ)

田宮伊右衛門(中村獅童)は公金横領の発覚により、

妻の岩(中村扇雀)を実家に連れ戻されていた。

岩の父である四谷左門(真那胡敬二)に復縁を頼む伊右衛門であったが、

結局左門を殺害してしまう。

 

同じころ、同じ場所で岩の妹の袖(中村七之助)を

恋い慕う薬売りの直助(中村勘九郎)は、

袖の夫の与茂七(中村扇雀・二役)を殺害する。

 

同時に遺体を発見する岩と袖。

そこへ伊右衛門と直助は何食わぬ顔で現れ、

犯人を捜し仇を討つと二人に約束する。

 

そして、伊右衛門は岩と復縁し、

直助は袖と形ばかりの夫婦生活を始める。

 

お岩と復縁した伊右衛門であったが、

伊右衛門を恋い慕う梅(中村鶴松)と

梅の父・喜兵衛(笹野高史)が現れ、

仕官を条件に伊右衛門は梅と結婚の約束をする。

 

喜兵衛の策略で毒薬を飲んだ岩は

醜い容貌へ変わり果て苦しんだ後に亡くなる。

梅と結婚した伊右衛門であったがその夜、

岩の幽霊を見て狂乱し、梅と喜兵衛を殺してしまうが・・・。

 

以下ネタバレします。

この

「伊右衛門がお岩さんを裏切って再婚するものの、

結局狂ってしまって、花嫁を殺してしまう。」

というのが、

私の四谷怪談の知識で、

ここが物語のクライマックスだと思っていたのです。

(袖さんとか直助さんとか全然知らなかった)

 

なので、伊右衛門が梅親子を殺害するまでの展開が早くて、

「え?もう?シネマ歌舞伎ってこんなに短い作品もあるの?」

と、戸惑っていたら、

そこからまたじっくり描かれる物語があって。

 

作中、江戸時代の舞台に現代人が混ざる演出があって不思議。

黒子を役割をスーツ姿のサラリーマンが務めていたり。

 

映像は、

シネマ歌舞伎ならではのよさ

(どこの席からでも役者さんの顔や表情をしっかり見ることができる)

を生かした、

息づかいや体温まで伝わってきそうなカメラの寄りと鮮やかな色。

画面越しでも伝わる役者さんたちの色気にずっとドキドキしていた。

 

伊右衛門は身体も態度も大きくて、

自分勝手ででも弱くて、

現代でもこういう人リアルにいるかも。

 

でも中村獅童さんが魅力的に演じておられて、

嫌な奴なんだけど、嫌いになれないキャラクターだった。

 

中村兄弟の男女の絡みが大好きなのだけど(文字にすると身もふたもないな)、

今回の袖と直助、一番好きかもしれない。

 

年々声も表情もお父様に似てくるお兄ちゃん。

褌姿で惜しげもなく見せられる引き締まった腕、背中、太もも、

からみつくように袖を慕い求める。

 

にやりと笑う時の目、口元、執拗に伸びる手、

ドキドキするよ~。

 

そんな直助に迫られては顔をそむけ、

胸元に手が滑り込むたびに身をよじる袖。

色っぽくて色っぽくて!

ぞくぞくするよ~。

 

そして、姉の死の真相を知り、

伊右衛門を討つことと引き換えについに身を許す袖。

 

人間臭くて魅力的な直助に感情移入してしまっていて、

「よかったね直助!やっとだね!」

と思ってしまう。

 

でも所詮、愛した女の夫を殺めた末に繋がった縁、

結ばれないだろうなあ、とは思ったけど予想外のオチ。

 

コクーン歌舞伎なので、一般の役者さんも参加されていて、

笹野高史さんの演じるお熊婆さま(喜兵衛と二役)

素晴らしい「くそばばあ」感です。

 

ラスト、狂乱した伊右衛門が討たれるところ。

映画はあんな風に終わったけれど、

舞台版はどんな風に終わったのだろう。

 

コクーン歌舞伎のシネマ歌舞伎は見終わった後いつも呆然としてしまうので、

このエネルギーはいつか生で体感したいなあ、と思うのでした。

 

 


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