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湊かなえ 「告白」

先日、湊かなえさんのほんわかエッセイを読んだのですが、

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やはり湊ファンとしては、

読みながら心をズタズタにされたいため(笑)

「告白」を読みました。

 

以下備忘録、ネタバレありです。

全体的にネタバレしていますが大事な部分については伏せたつもりなので、

是非実際手に取ってみてください。

 

(あらすじ)

森口悠子はシングルマザーの中学教師。

4歳の娘は勤務先の中学校のプールで溺死した。

警察は事故死と判断したが、

実は担任しているクラスの生徒によって殺害されていた。

退職を決めた悠子は、教員生活最後のホームルームにて、

生徒たちに向かって真実を語り始める・・・。

 

6つの章に分けられた物語は語り手がそれぞれ違う。

 

(第一章 聖職者)

〇語り手は森口悠子(子供を殺された中学教師)

私はある男性と愛し合い、子供を宿したが、

事情によりシングルマザーになることを選択した。

それから4年が経過し、娘と二人幸せな生活を送っていたが、

娘はこのクラスのA少年とB少年により殺害された。

学校を去ることにした私はある復讐を行い、

そして二人を含む生徒たちの前ですべてを告白した。

 

(第二章 殉教者)

〇語り手は北原美月(AとBのクラスメイト)

森口先生が学校を去り、B少年(下村直樹)は学校に来なくなり、

A少年(渡辺修哉)はクラスのいじめのターゲットとなっていた。

担任は若い熱血先生・寺田良輝(通称ウェルテル)先生になった。

自分の情熱に酔っているし、何の事情も知らないので、

クラスの異変が理解できないとんちんかんな先生だ。

いじめの輪に混ざらないでいたら、私も一緒にいじめられるようになった。

 「直くんと修哉くんが人殺しなら、ここにいる子たちは何ですか?」

 

(第三章 慈愛者)

〇語り手はB少年(下村直樹)の姉

大学生の私の元へ家に引きこもっていた弟が母を殺害したと父から電話があった。

私は実家に帰り、母の日記帳を見つけた。

弟の担任の森口先生の娘が亡くなり、弟を犯人扱いしたそうだ。

母は同級生の渡辺が首謀者で弟は悪くない、

またはすべてが森口先生の作り話ではないかと考えていたようだった。

弟の心は崩壊しており、奇行が続いていたそうだ。

母は弟を理解しようとしていたが、母自身の闇が出口をふさいでしまっていた。

 

(第四章 求道者)

 〇語り手はB少年(下村直樹)

勉強も部活も友人関係もさえない僕は毎日がつまらなかった。

母さんはよく学校にクレームの手紙を書いていた。みじめだった。

そんなある日、秀才の渡辺くんが友達になろうと言ってくれた。

渡辺くんは自分の発明品を使って

悪いヤツを懲らしめたいのだと打ち明けてくれた。

ワクワクしてきた。

生徒よりも自分の子供を優先する森口先生をターゲットに決めた。

渡辺くんの発明品でびっくりさせて、あの子供を泣かしてやろう。

 

(第五章 信奉者)

〇語り手はA少年(渡辺修哉)

帰国子女で聡明な母は優秀な研究者だ。

ひょんなきっかけで田舎の電器屋の店主である父と結婚してしまったが、

僕に惜しみなく知識を与えてくれた。

母はしばしば自分の苦しみを僕にぶつけた。

僕がいることで研究者の道が断たれたのだから仕方がない。

暴力は父に知られることになり、両親は離婚した。

母は家を出て、再び研究者の道へ戻った。

あれから母からの連絡はないが、きっと僕に会いたいに違いない。

僕が研究者として世に名が出れば連絡をくれるだろうか。

発明品を発表してもなかなかうまくいかない。

僕が世を震わせるような事件を起こせば母の耳に入るだろうか。

担任の子供を殺すというのはどうだろうか。

 

(第六章 伝道者)

〇語り手は森口悠子(子供を殺された元中学教師)

あれから五か月が経ちました。

子供の父親である男性の最期も看取りました。

私の後任の寺田先生はこの男性の信奉者であったため、

その後の学校の様子はよく聞いていました。

私の子供を殺したものの、母親との再会がかなわなかった渡辺くん。

あなたは新たな犯罪を計画しましたね。

 

 

第一章を読み終わった時点で既に心はズタズタなのですが、

それだけでは終わらず、第二章以降もずっと心をズタズタにされます。

湊作品を読んだ後はやっぱりこうなりたい。

 

毎章すごいことが起きるけれど、

リアリティがないかと言われるとそうでもなくて、

ここまでは起きないにしても、もう少し「おおごとでない」

レベルの歪みならあちこちで起きているのかもしれない、と思う。

 

「山猫珈琲」で湊さんが元教師だったということを知ってから読むと、

よりじわじわと嫌な気持ちが広がって来る。

 

この「告白」は「読んだことある?」と周囲に聞くと、

「読んだことないんだけど、オチは知ってるよ。」と、

「オチを知ってるからなんとなく読んだ気になってる」

的な返事が返ってくることが多いのだけど、是非実際に読んでほしい。

 

淡々とした各章の語りは、ネットや口コミで知った「オチ」よりも

ずっとぞくぞくするものだから。

 

映画版も近いうちに見てみたいと思います。

 

  
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