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(ネタバレなし)シネマ歌舞伎 「歌舞伎NEXT 阿弖流為<アテルイ>」

市川染五郎×中村勘九郎×中村七之助ら豪華キャストによる、

新しい歌舞伎、新しいエンターテインメント、

シネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 阿弖流為<アテルイ>」見てきました。

 

1年前の劇場公演中、別件で大阪に行くことがあって、

駅に大きなポスターが貼ってあって、

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「ああああ・・都会の人はいいなあ。これシネマ歌舞伎になるかなあ・・。」

と、せつなく思いながら足早に改札口に向かったことを今でも覚えてる。

 

エンタメの神様の微笑みはこの小さな町にも向けられて、

1年越しで見ることができました。

 

この作品は「作:中島かずき 演出:いのうえひでのり」なので、

「新感線」感を強く感じる。

www.youtube.com

歌舞伎だとわかっているのに、

前半は粟根さんや高田さんをつい探してしまうくらい。

 

以下ネタバレなしです。

(これはネタバレ読まない方が絶対に楽しめる作品!)

 

(あらすじ)

大和朝廷は国家統一のために、北の民「蝦夷」と戦をしていた。

 

都では、とある事件をきっかけに3人の男女が出会う。

大和の役人・田村麻呂(中村勘九郎)、

北の狼(市川染五郎)、立烏帽子(中村七之助)。

 

実は染五郎と七之助は北の民で、かつて愛し合う中であったが、

七之助に襲い掛かった神の使いの獣を、染五郎が殺してしまったため、

二人は名前も記憶も封印されたまま北の地から追い出されていたのだ。

 

これは「再会」だと気づいた二人は記憶も名前も思い出す。

染五郎の名は「阿弖流為<アテルイ>」、七之助の名は「鈴鹿」。

故郷を大和から守るために北の地に戻る二人。

 

しかしそれは、知り合ったばかりながらも互いに認め合う関係になった

勘九郎と敵になることでもあった・・・。

 

一言で言うと、すごく面白かった。

もしちょっとでも興味があって見ようか迷ってるなら絶対に見た方がいいです。

 

良かった点はたくさんあったのだけど、一番ドカンと心に響いたのは、

七之助丈の成長です。

 

昨年も、若手歌舞伎役者衆によるシネマ歌舞伎を見に行っていて、

koromo8oo8.hatenadiary.com

 

その時の私は、七之助丈に関しての感想を、

「もっと色気があった方がいいな~。」と書いています。

 

お父様がお元気だった時代の作品もシネマ歌舞伎で見て、

その時も同じことを思った。

 

お父様の色気は語るまでもないし、

普段は真面目な雰囲気のお兄ちゃんも舞台に上がるとすごい色気だし、

その期待値で七之助丈のことも見ては、いつももどかしく思ってたのです。

可憐で所作も美しいのに・・・と。

 

今回も前半はふんふん、と見ていたのですが、

後半の勘九郎丈と絡むシーンでビックリして。

 

艶があって、匂うようで、

同じ女性なのに(いや厳密にいうと女性じゃないのけど)

一気に胸が高鳴ってしまう。

 

七之助丈は染五郎丈の恋人なので、

勘九郎丈とのシーンは「ラブシーン」とは違うのだけど、

二人の身体が近づき、触れ、視線が交わされる度に、

もうエロくてエロくて!!!

 

基本は目を点にしながら見入っていたけど、

たまに「この人たち、男と男だよ!!ていうか兄弟だよ!!」

と、申し訳ないけど、ちらりと思ってしまって、

その「禁断感」にエロさ倍増、的な。

(下衆な感想でごめんなさい)

 

「七之助丈ってこんなにすごい役者さんだったかな・・・」と、

その場面を見送り、すこし落ち着いた頃に、さらに七之助丈の見せ場があって、

もう、神がかっていました。

 

瞬きをするのも忘れてその見せ場をずっと見ていて、

途中からはせりふもぼんやりと聞こえてくるようになって、

ただ七之助丈のオーラに魅せられていた。

 

血を吐くような努力をされたのだろう。

それも何度も、心身ともに満身創痍になりながら。

 

それについては、勘九郎丈と染五郎丈も同じで、

二人とも鬼気迫る立ちまわりと表情で、何度も息を飲んだ。

ここは「舞台」というより、「戦の場」だと思った。

 

若手三人がこのように本当に素晴らしいのだけど、

脇を固める先輩方の迫力と安定感。

帝の巫女である勘九郎の姉、御霊御前 (市村萬次郎)

右大臣藤原稀継 (坂東彌十郎)のお二人、特に圧倒されました。

 

まるで「ゲキシネ」作品だと言っても違和感のない作品だなあと思っていたけど、

なんと2002年の新感線作品なのですね。

www.e-oshibai.com

 

市川染五郎×堤真一×水野美紀だったのか!!

あ~、こちらも見てみたい!

アンコール上映お願いいたします。

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