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田舎暮らしと本と映画。

邦画と本のレビュー。旅と神社と美しいものが好き。

朝井リョウ 「世にも奇妙な君物語」

ブックレビュー 作家 あ行

ブックレビュー 朝井リョウ「世にも奇妙な君物語」

5つの短編小説がまとめられた1冊。

文章は読みやすく、寝る前の時間で一気に読んでしまいました。

 

 (あらすじ)

第1話「シェアハウさない」

フリーライターの浩子はある居酒屋で一人泥酔しているところを、

居合わせた客の真須美に助けられる。

目が覚めると真須美の家だったが、

そこは年齢も仕事もバラバラな男女が住むシェアハウスだった。

仕事のネタになりそうだと浩子は潜入を試みるが・・・。

 

第2話「リア充裁判」

20××年から成立した「コミュニケーション能力促進法」

その条文内にある

「年齢や性別、立場の違う者とスムーズに自分の考えていることや

相手の思いをやりとりすることができる能力」

を持つ人間であるかどうか、無作為に選ばれた対象者が調べられる調査会、

通称「リア充裁判」への対象者に選ばれた知子。

知子はSNSもサークル活動もしていない、

日々図書館で勉強をしている大学生であるが・・・。

 

第3話「立て!金次郎」

孝次郎は27歳の幼稚園教諭。

子供の頃、身体が小さく友達の輪に入って行けなかった自分を導いてくれた

幼稚園の先生のように、子供に可能性を与えられる教諭になりたいと思っている。

しかし、孝次郎が勤務する園は

「保護者からクレームが来ないための管理」に徹している。

子供のためより親のための教育方針に孝次郎は疑問を感じているが・・・。

 

第4話「13.5文字しか集中して読めな」

香織はネットニュースの配信会社にて、ゴシップ記事を書き綴る記者。

短い文字制限の中、女子アナ・皇室・芸能・不倫等の

読者のアクセスを呼び込める記事を日々配信し続ける。

そんなある日夫の財布の中に不審なレシートを見つける。

自宅から離れたコンビニで同じスイーツを2個購入したもの。

日付は「残業で遅くなる」と帰宅が深夜になった日だった・・・。

 

第5話「脇役バトルロワイアル」

俳優の溝淵淳平は、

演出家・蜷川幸子の新作舞台のオーディションの最終選考会に残ることができた。

選考会場に到着すると、そこにはテレビでよく見かける俳優たち、

桟見れいな、八嶋智人、勝池涼、渡辺いっぺい、板谷夕夏がいた・・・。

 

この本に関する何の予備知識もないまま読み始めたのですが、

タイトルといい、タイトルのデザインといい、

「これって・・・」

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と、思いながらも読み進め、

 

オムニバスだしな・・、バッドエンド続出してるし・・、

「これって・・・」

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たまりかねてグーグル先生に問い合わせてみたら、

朝井リョウさんが「世にも奇妙な物語」の大ファンで、

映像化を夢見て綴られた作品だそうで。

 

ああ、納得。

 

朝井さんらしい、現代日本を風刺された作品の数々でした。

もちろん作品の世界は、

実際の現代日本よりずっとデフォルメされているのだろうけど。

 

私が田舎暮らしだからなのか?

違和感も感じつつ読みました。

現代人ってそんなに「普通の心地よい生活」が送れてないのかな、と。

 

常に刺激を求めて、他人と比較して、他人より自分が損をするのは嫌で、

なのに自分を認めてあげられない毎日。

そんな日々を送っている人の方が多数派なのかな・・。

 

おもしろかったけど、読後感はよくなくて、

(第1話の「シェアハウさない」は、

性犯罪の描写が出てくるので苦手な方ご注意ください)

 

私は、現代日本を風刺しながらも透明感ある世界を描く、

普段の朝井作品の方がすきです。

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