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湊かなえ 「境遇」

ブックレビュー 湊かなえ「境遇」

 (あらすじ)

陽子は子供の頃から、絵を描くことも物語を作ることも好きだった。

学生時代はボランティアサークルに所属し、

自分の作った絵本を子供たちに読み聞かせていた。

 

卒業後、図書館司書になってからもその活動は続けていた。

そんな陽子の姿を見そめた県議会議員の高倉と結婚した後は、

息子の裕太のために一冊の絵本を作った。

 

その本がひょんなことから外の世界に触れることとなり、

陽子はあれよあれよとベストセラー絵本作家になった。

 

幸福の絶頂にいると思われた陽子だったが、

息子の裕太が誘拐されてしまう。

 

開放の条件は「秘密を公表すること」だった。

 

秘密とは?

 

陽子の出自のことだろうか。

陽子は児童養護施設の出身で、本当の両親が誰なのか知らない。

 

それとも先代の頃から不正献金疑惑がささやかれた、

夫の高倉のことなのか・・・。

 

 

湊かなえさんの作品を読んだ後は、いつも読後感の悪さに心がざわざわして、

「もー!!絶対、作者は、せいかくがわるいー!」

と、毒づいて、口直しに有川浩さんを読む、といったことをしていたのですが、

 

その「毒」が湊作品の魅力で、中毒性のようなものを持っているのだと、

今回気づきました。

 

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今回の作品は、元々スペシャルドラマの放送を前提として書かれたのだと、

どこかで読んだのですが、

とにかくあっさりとした作品です。

 

主人公のできすぎた女性も、これからどんな本性を現すのかと、

ドキドキしていたけど、普通の人だったし、

 

県議会議員のご主人も、

「2世議員とか!一体どんな悪党なのかしら」と思っていたら

できたご主人だったし。

 

お姑さんを始めとする議員事務所の方々は割と曲者だけど、

「ワル」と呼ぶほどでもない。

 

湊作品の十八番である「毒」と「悪」の要素がとても薄い作品です。

 

読みやすいし、作品もまとまっているのだけど、

読み終わった今は物足りなさで、

毒々しい作品を読み終えた後より、心がざわざわしているような気がします・・・。

 

読者とは、勝手な生き物ですね。


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