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田舎暮らしと本と映画。

邦画と本のレビュー。旅と神社と美しいものが好き。

黒川博行 「後妻業」

たまたま、ネットの邦画ニュースで見かけたこのタイトル。

 2016年公開予定「後妻業」

 

 

(CAST)

大竹しのぶ 豊川悦司 尾野真千子 長谷川京子 水川あさみ

風間俊介 余貴美子 笑福亭鶴瓶 津川雅彦 永瀬正敏

 

タイトルと、そのキャスト一覧だけで、

オシッコちびりそうにビビってしまい、

その後、地元の図書館の「貸出人気ランキング」を見たら、

原作本がベスト10に入っていた。

 

「あ~・・怖そうだな~・・・。」

と思いつつも、怖いものの見たさでつい本を手にしてしまう。

 

読み始める前になんとなく奥付を開いたら、

「左記の文献を参照いたしました。

『黒い看護婦 福岡四人組保険金連続殺人』森功

『木嶋佳苗法廷証言』神林広恵+高橋ユキ」

 

・・・って「怖そう」じゃなくて、絶対怖い。

 

黒い看護婦 - Wikipedia

首都圏連続不審死事件 - Wikipedia

 

(あらすじ)

尚子と朋美の姉妹は、91歳の父が脳梗塞で倒れたと連絡を受けた。

連絡をしてきたのは母の死後、父の後妻になった69歳の女・小夜子だった。

 

父と小夜子は一昨年、シニア向けの結婚相談所で知り合い結婚した。

父が息を引き取ったのち、姉妹は驚愕する。

 

父は生前、

「姉妹の実家である郊外の自宅以外の財産はすべて小夜子のものとする」

という公正証書を作成していた・・・。

 

 

「後妻業」というのは、

資産家の男性の後妻になって、その男性の遺産を一切合切奪うこと。

 

小夜子は「後妻業」のプロで、

資産家の高齢男性との結婚と死別を繰り返しており、

彼女に男性をあっせんしている結婚相談所も、

公正証書を作る司法書士も、全部グルなわけです。

 

姉妹の父であった男性は、特別な大金持ちなわけではなかった。

地方公務員で、現職の頃はつつましやかに暮らしており、

妻も同じく地方公務員であったため、自宅のほかに数千万円の財産があった。

 

妻に先立たれたとき、姉妹は既に独立していた。

一人暮らしになった父は「話し相手がほしい」と、結婚相談所に入会し・・・、

 

という流れを読んでいると、身近でもありえそうな話でぞっとした。

 

脳内では、小夜子役の大竹しのぶさんが、

狡猾に、淫らに、高齢男性を堕としていく。

 

こわい。

 

どうしていくつになっても男はこんなにあっけなく女の色気に落ちてしまうのか。

いともたやすく惑わされ、さらさらと公正証書を作ってしまう。

 

「さびしい」という感情は魔物だ。

 

普段はしないけれど、読んでいるうちに怖くなってしまって、結末を先に読んだ。

結末を知ったら、ちょっとだけ安心したので最後まで一気に読んだ。

 

テンポがよく、読みやすい作品。

 

最初は「ひえーこわい!」と思いながら読んでいたけれど、

「ワル」側の人間は、本当に異世界の住人のレベルなので、

途中からは、

「こういう世界もあるのだなあ・・・」

と、落ち着いて読むことができました。

 

両手で顔を覆いながら、

でも指のすき間からちらりちらりとのぞいてしまうような世界。

 

もう一度書くけれど、「さびしい」という感情は魔物だ。

 

大竹しのぶさん、狂気を感じる程に「小夜子」を好演されると思います。

劇場で見るのはちょっと怖いなあ・・・。

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