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舞台 「虹とマーブル」

舞台「虹とマーブル」島根県民会館鑑賞レポ。

M&Oplaysプロデュース

作・演出:倉持裕

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CAST:小出恵介・黒島結菜・木村了・小林高鹿・ぼくもとさきこ・玉置孝匡・小松和重・ともさかりえ

 

小出さんのことを前から「いいなあ」と思っていたのだけど、

ドラマ「Nのために」で、繊細で情熱的な青年を演じた小出さんを見て以来、

 

「あーーいつか生でこの人の演技を見てみたいなあ」

と、思っていたところのこの公演!

すみやかにチケットを手配したのでした。

mo-plays.com

STORY:

舞台は、1960~1980年代。

蒸し暑い倉庫を拠点にかっぱらった電化製品を売りさばくところから始め、

怪しげな不動産取引と貿易で荒稼ぎした金を興行に注ぎ込み成功した小出恵介。

 

政財界にパイプを持つクラブママ・ともさかりえの力を借りて、

洋画好きのませた中学生・黒島結菜と、腹違いの弟・木村了を

銀幕と政界に送り込み、小出はさらなる高みを目指す。

 

やがて黒島は小出の妻になり、子を身ごもる。

しかしある興行を失敗したことをきっかけに失速し、

小出の周りからは次々と仲間が去っていった・・・。

 

今回の舞台は、第一幕・第二幕・第三幕の三部構成で、

幕が変わるごとに10分間の休憩があったのだけど、

集中力が、ほどよく保てるうちに、

「10分間の休憩です。」とクッションが入るので、

約3時間舞台に集中し続けることができて、とてもよかったです。

 

小出恵介さん、もちろんカッコイイ。

TVで見るより大柄な印象で、最初はびっくりした。

だから今回みたいな「荒くれ者」の役もいいね。

 

童顔だからと油断していると、

ともさかママと「男女の仲なんだろな」と匂わせてきたり、

黒島さん演じる若い女優を一気に落としてしまったり、

悪い色気をいきなり出してきて、ぞくぞくさせられますよ。

 

ともさかりえさん、さすがの迫力・存在感!

細い。お綺麗。

コミカルな演技を要所に挟んでくるため、

とりおり「ママ姿」が、友近に見えたのはここだけの秘密。

ともさかさんの衣装チェンジも観劇中の楽しみのひとつ。

 

舞台は終始客席を笑わせながら進んでいくのだけど、実は生々しいお話で、

第二幕の辺りから、

「あら・・これって実在の人物とか出来事をモチーフにしてるのかな?」

と、思うようになり、

 

第三幕では、

「ああ、そうなんだ、でもリアルタイムでは知らないや。」

と、思うようになり、

今日はwikiで「ロッキ**事件」について、

流れと登場人物について調べておるところ。

 

第三幕は俳優さんの演技にさらに油が乗り、

物語もクライマックスに向かってぐいぐいと進む。

 

「地方の演劇(ほか、生のエンターテインメント)好き」という人間は、

常に飢えを感じている。

 

仕事や家庭の事情もあり、そうそう東京やら大阪にまで行っていられない。

ライブビューイングもありがたいけれど、生にはどうしても負ける。

 

生が見たい。

生で見たいんだ!

 

そんな、元々客席に植わる飢えと、物語の先を追う興奮で、

客席の集中力はますます増していく。

 

開演冒頭から、「一言も聞き逃さない!」という空気が漂っていた。

集中しすぎて、笑うシーンでも上手なタイミングで笑えない客席。

きっとこの舞台をみんな楽しみにして、今日来ているから。

 

「正直役者さん、見られすぎてやりづらいかなあ。

でもみんな楽しみに来てるんだ、ごめんねえ・・」とちらりと思う。

 

第三幕に入ってからは、役者さんのせりふとせりふの間に、

「しぃ・・・・ん・・・・・」

と、いう客席からの「無音」の「間」が入り込む。

携帯電話を鳴らす人も誰もいない。

 

木村了さんが思わずせりふを噛んだ。

いや、そりゃ噛むわ。だってみんな見すぎだもん。

 

最後の場面の、小出さんのアクション。

本当に美しかった。

そのアクションの余韻と、宙を舞う小道具にうっとりとしていたら、

衝撃のラスト。

 

おもしろかったーー!!

 

鳴り止まない拍手。

シャイな県民だから、歓声をあげることができない。

称える気持ちは、拍手で伝えることしかできないから、

誰もが手が痛くなるまでずっと叩き続ける。

 

小出さんがびっくりしている。

「島根の客席の熱さ」を知っているともさかさんが微笑みながら、

小出さんをうながす。

挨拶をしようとされるのだけど、しどろもどろで言葉にならない小出さん。

 

おそらく初島根であろう、黒島さんもびっくりして目を丸くして客席を見渡して、

嬉しそうに笑っていた。

 

会場も小さいし、移動にも時間がかかるし、大きな興行からは敬遠される小さな町。

そこに毎年、素敵な舞台を持ってきてくださるM&Oplaysさんには、本当に感謝しております。

 

舞台「虹とマーブル」は、この後、広島・福岡・宮城・大阪・愛知・静岡へ。

koromo8oo8.hatenadiary.com