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田舎暮らしと本と映画。

邦画と本のレビュー。旅と神社と美しいものが好き。

三浦しをん 「あの家に暮らす四人の女」

ブックレビュー 作家 ま行

ブックレビュー「あの家に暮らす四人の女」三浦しをん

しをんさんの新刊ということで楽しみに待ってた一冊。

 

 

東京都内の古い洋館に暮らす四人の女。

お嬢様育ちの老婦人・鶴代

鶴代の娘で、アラフォーの刺繍作家・佐知

佐知の同世代の友人で、保険会社に勤務するOLの雪乃

雪乃の会社の後輩で、佐知の刺繍の生徒である多恵美。

 

設定と名前「ツル・サチ・ユキ・タエ」が、

谷崎潤一郎の「細雪」なので、純文学っぽいお話なのかな~、

と思いながら読み始める。

 

私は三浦しをんさんの描く恋愛が好きで、

成就するまでの「キュン」感とか、恋愛初期の上気するような感じとか、

読んでいて映像が浮かんでくるようで、すごく好きなのです。

 

でも、今回の作品は、

鶴代さんはバツイチで、その後男っ気はなくて、

佐知と雪乃は男っ気の影も形もなくて、

多恵美はだらしないヒモ男にストーカーされている。

 

「今回は、そういう感じの作品じゃないのね」

と、とりあえずは読み進めていたけれど、

多恵美がストーキングされているのが、「事件」なくらいで、

後は大人の女四人で、花見に行ったり、鍋をつついたりしている。

 

「・・・・・・・・」

読書はお風呂上りの落ち着いた時間から始めるので、

作品の「淡々」感に猛烈な睡魔が襲ってくる。

 

「あれ・・?今回の作品は合わなかったかし・・ら・・」

と、まぶたが完全に閉じようとしたその時。

 

あるものが発見される。

あるものが発見されてからは、淡々と時が流れていた古い洋館が、

「ざわ・・・ざわ・・・」し始める。

 

そして、突然語り手が変わる。

語り手が突然(本当にものすごく突然)〇〇〇(生き物)に変わるのです。

 

「???なんで〇〇〇----!?」

と、思い読み進める。

睡魔は飛んでいった。

 

 そしてさらに、***(元・生き物)まで新たに登場して語り始め、

洋館を「ざわ・・ざわ・・」させている、「あるもの」ともコラボして、

なんだかどえらい大事件になります。

 

なんだろうこの突飛な展開。

突飛だけど・・・突飛だけど・・・。

私は結構好きよ。

 

そして、最初は「今回はないのかな」って思ってたこともちゃんと描かれて、

続編もゆくゆく出たらいいなあと思いました。

 

「刺繍という行いそのものやめることができない」

「佐知の内部でうずまくさまざまな物思いや感情は、言葉よりも針で、

手のなかでやわらかくたわむ布や糸で、外界へと解き放たれるものだった。」

 

表現方法は違えど、きっと「佐知」はしをんさん自身なのね。