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田舎暮らしと本と映画。

邦画と本のレビュー。旅と神社と美しいものが好き。

映画 「遺体 明日への十日間」

映画レビュー「遺体 明日への十日間」

原作 石井光太『遺体 震災、津波の果てに』

監督 君塚良一

出演

西田敏行 緒形直人 勝地涼 國村隼 酒井若菜 佐藤浩市

佐野史郎 沢村一樹 志田未来 筒井道隆 柳葉敏郎 (五十音順)

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こちらはお引越し記事です。

投稿日は公開当時の2013年3月13日。

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東日本大震災当日から10日間、

釜石市の遺体安置所の様子をドキュメンタリータッチで描いた

映画「遺体 明日への十日間」を見てきました。

 

フジテレビの収益は被災地に寄付されます。

(あらすじ)

釜石市の遺体安置所となった学校の体育館には、続々と遺体が運びこまれていた。

呆然とするばかりの若い三人の市職員。

混乱し、怒号と泣き声が響く現場。

 

葬儀社での勤務経験を持つ

地域の民生委員の西田敏行は安置所で働きたいと申し出る。

 

佐藤浩市医師や柳葉敏郎歯科医師が、黙々と検視を続ける中

「番号」と「発見場所の住所」が貼られた遺体に

ひとりひとり話しかける西田敏行。

 

その姿に、市職員たちの姿勢も変わっていく。

 

この映画について、

「見てみたいけど・・辛い場面があったらどうしよう?」

と迷っている人は多いかと思う。

 

私もそうだった。

見ると決めるまで迷って、

決めてからはネタバレのレビューを読んで心の準備をした。

 

「踊る大捜査線シリーズ」の監督が製作しているけれど、

感情を煽ってくるような描写や、凄惨な場面はほぼなし。

淡々と話は進む。

 

スクリーンに映るご遺体は、顔も綺麗ですべて五体満足。

いわゆる「悪者」も登場しません。

津波や地震の場面は、文字で伝えられるのみ。

 

被災地を知っている方は、

「そんなに、いろいろ綺麗ごとじゃなかった!!」

と、言いたくなる作品かもしれない。

 

でも、敢えて控えめにすることで、

ゆくゆく、テレビでノーカットで流すことができるかもしれないし、

子供からご年配の方まで、日本人にも外国人にも、

たくさんの人に目をそらさず、ずっと見てもらえるかもしれない。

 

製作側のそんな希望が込められているのかな、と思った。

 

身元が判明した遺体には、火葬の日まで毎日家族が寄り添っている。

 

父親の遺体に 、

「寒そうだから」とジャージを着せる高校生。

日に日に色がくすむ母の遺体の唇に、口紅をさす娘。

 

亡くなった方を悼む気持ちや、悲しみや無力感が静かに伝わって来て、

ただただ涙が流れてしまう。

 

いつの間にか足を踏ん張りながら見ていて、

見終わった後は足が痛かった。

 

たくさんの人に見てもらいたいけど、

「震災について心は痛めているけど、具体的に大きな貢献もできないし・・」

と思っている人にこそ見てもらいたい。

 

自分も無力な一人だけど、復興を祈ることと、

ささやかでも「できること」は続けようと思った。

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