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NEWシネマ歌舞伎「三人吉三」

NEWシネマ歌舞伎「三人吉三」を見てきました。

www.youtube.com

 

「歌舞伎?よくわかんないし」

「そもそもそのタイトル何て読むん?」→(さんにんきちざ)

という、伝統芸能喰わず嫌いの人のために今日のレビューを書こう。

 

普通の映画は好きですか?

丁寧に作りこまれたSPドラマとか見たときに、

「おおー!おもしろかったー!」って思いますか?

そんなあなたなら絶対に楽しめる「映画館で見る歌舞伎」

 

主演は中村勘九郎・七之介兄弟と尾上松也(あっちゃんの彼氏ね)

脇を固める重要人物に、笹野高史や中村鶴松などなど。

(コクーン歌舞伎という現代風演出を含む歌舞伎なので、一般の俳優さんも出演されています)

 

主演の三人は偶然同じ「吉三(きちざ)」という名を持つ盗賊。

ひょんなことから出会い、血の杯を交わして兄弟になっている。

 

物語は、笹野高史がはるか昔、庚申丸という名刀を盗んだことをきっかけに、いろいろな悲劇が起きていく。

 

勘九郎の妹役の中村鶴松くんは、

一般家庭から中村屋の歌舞伎役者さんになった方だけど、

夜鷹(路上のむしろの上などで客を取る娼婦)を演じる姿が、美しくて美しくて。

www.kabuki-bito.jp

 

かつて生き別れた双子の兄と再会し、

兄妹と知らず愛し合い、枕を交わして畜生道に堕ちてしまい、

あわれと思った、長兄の勘九郎に首を落とされてしまう・・という役どころ。

 

娼婦役に似つかわぬ品としなやかさなのに、にじむ色気にぞくぞくさせられて、

もっといろいろな作品で鶴松くんを見たい!!と心惑わされてしまう。

正直、同じ女形の七之介丈を食ってると思う。

 

勘九郎丈は声も、所作も、お父様そっくりになっていました。

天国でお酒を飲みながら大喜びで鑑賞されていたことでしょう。

 

冒頭の刀が盗まれたことがきっかけで、誰かが誰かの大切な人を傷つけ、殺め、

その連鎖の後、最後は自らの身も滅ぼすことになる・・・という、

現代劇で見たならば、重くて苦しくなってしまうような物語が、

「時代劇」というクッションにより、

観客が凄みと色気に魅了されるエンターテイメントになっている。

 

舞台演出もそれはそれは素晴らしくて、素人が見ても、

「チケット代だけでは絶対赤字ですよね?」と心配してしまうくらい。

 

鑑賞した帰り映画館からはずれた田舎町の食堂に立ち寄り、

食事を待っている間、興奮さめらやずで、

「もし、すっっごいお金持ちになれたなら、『ご贔屓筋』(歌舞伎役者の後援者。物心ともにその活動を支える)になってみたいナ~☆」

と、妄想発言をしていたら隣席の知らないオジサンにドン引きされたっていうね・・。

 

そんな夢のような感想をつぶやいてしまうくらいの、迫力の舞台でした。

 

 

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