田舎暮らしと本と映画。

邦画と本と美味しいもののこと。旅と神社と美しいものが好き。

村田沙耶香 「地球星人」

村田沙耶香さんの新刊「地球星人」を読みました。

 

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「コンビニ人間」以来の小説の新刊ということで楽しみにしていて、

手にしたらとにかくすぐに読みたくて、

特に予備知識もなく読み始めたのです。

 

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すごい本を読んでしまった。

 

私は今まで、女性作家さんで、

読んでる最中にみぞおちを殴られるような衝撃と、

読後の呆然とする感を与えてくれるのは、

やっぱり湊かなえさんかなあと思っていたのですが、

 

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この「地球星人」は、

湊さんが良心的(?)に思えてくるくらいの衝撃で、

一気に全部読んで、読んだ後も呆然として翌日も引きずりました。

 

そういえば、「村田クレイジー沙耶香」

というあだ名で作家さんたちから呼ばれていると読んだことがある。

村田さん、クレイジー、クレイジーだよ・・・・・・。(褒めています)

 

ネタバレはしない方が衝撃を味わえて楽しいと思うのでネタバレしませんが、

小学生が性暴力被害にあう場面があるので苦手な方は注意。

知らずに読んで、心の準備ができてなかったので、だいぶHP減りました。

 

(あらすじ)

夏休みに入った小学生の奈月は、

二つ上の姉と両親の4人で父の田舎である信州の山奥に向かっていた。

 

奈月はそこで年に一度、

山形から来るいとこの少年・由布と会うのを楽しみにしていた。

由布と奈月は恋人同士だ。

 

奈月は恋人の由布にだけ秘密を打ち明けていた。

奈月は、駅前のスーパーのぬいぐるみ売り場で出会った、

ポハピピンポボピア星人のピュートの命を受け、魔法少女として地球を守っている。

由布も実は宇宙人なのかもしれないと、奈月に打ち明けていた。

 

23年後、34歳になった奈月は夫と二人、実家に近い賃貸マンションで暮らしていた。

夫は職が長続きせず、7つ目の会社をクビになってしまった。

「秋休み」としてゆっくり旅に出ようと、二人は信州の山奥へ向かう。

 

 

コンビニ人間をはるかに超える衝撃。

冒頭のちびっこ奈月の「秘密」だけを読んだときは、

辻村深月さんの「かがみの孤城」のような、

 

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重いテーマを抱えながらのファンタジーなのかなあ、

それをもう少し、ファニーにしたような感じかなあと思っていたのに、

(私は村田さんと岩井志麻子さんをどこか重ねています。

本もおもしろいけど、作家さん本人の方がおもしろい!というところが似てる)

予想以上に苦しかった。

 

由布との合言葉、「なにがあってもいきのびること」

奈月のひとりごと「すこしだけおかしいことは、言葉にするのが難しい」

 

本来安心できる場所であるはずの家、異常さを隠した卑劣な大人、

と、奈月たち子供を囲む闇がリアルで、

こんな闇の世界に現在進行形で生きている子供がいるのだろうな、と思わされる。

 

大人パートになってからは、また種類の違う生き辛さが奈月の周囲にあって、

子供パート冒頭の「ややクレイジー」から、

大人パート後半の「本気のクレイジー」まで、

ずっと漠然と「おかしい」「やばい」と思いながら読むのだけど、

だんだん「おかしい」と思っている自分が「おかしい」のかもしれないとも思えてくる。

 

たぶん、一般的にレールに沿ったとされる人生を歩むことを、

それが普通で正しいと疑いを持ったことがない人が読むと、

ただただ狂気の本だと思う。

 

なので万人におすすめはしません。

でも「そもそも普通ってなんだろう」なんて考えることがある人には

おもしろいと思う。

 

私は読んで良かった。

 

実写化・・・、無理だろうな。

蒼井優さんと風間俊介さんと柄本時生さんとで、

映画化(R-15)されたらおもしろいだろうな、とちょっと想像してます。